特集 救急手技のポイント
Ⅳ.手術損傷
膀胱損傷
永田 一郎
1
1防衛医科大学校
pp.366-367
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900092
- 有料閲覧
- 文献概要
膀胱損傷の歴史は古く,紀元前約2050年のエジプトのミイラにもみられ,医学史には分娩損傷による悲惨な例が数多くみられる。しかし,近年では,分娩関連のものは激減し,手術によるものが増加している。それは子宮全摘例,帝王切開の反復例の増加による。膀胱損傷は,既往手術,子宮内膜症,骨盤内炎症などによる強度の癒着が存在するときに生じ易い。ここでは手術(腹式子宮全摘術,腟式子宮全摘術,帝王切開術)による膀胱損傷について予防法,診断法そして対応手技についてそのポイントを述べる。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.