Japanese
English
症例
良性脳圧亢進症の臨床
Clinical study of benign intracranial hypertension
大塚 顕
1
Akira OTSUKA
1
1新潟大学脳研究所脳神経外科
pp.857-862
発行日 1969年6月20日
Published Date 1969/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204879
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はじめに
良性脳圧亢進症とは,持続的な脳圧亢進症状を示しながら局在的神経症状がなく,髄液の性状にも異常を認めず,脳室拡大のないものをいい,たかも多くは数ヵ月で症状が消退し,一般に予後の良好なものであるが,ある時期において本症と診断されたものでも,経過を追つてみると後で脳室の拡大をきたしたり,神経症状が現われてきたりして脳腫瘍や静脈洞血栓,あるいは,その他の病変が発見される場合がある.われわれは,過去8年間に経験した19例につて,臨床所見,脳波所見,内分泌検査所見等を検討し,さらに最短2年,最長12年にわたる予後調査を行ない,改ためて本症を把握することができた.また,初診時本症と思われたもので,後に他の病変が発見された2症例を紹介し,本症の臨床およびその診断上の問題点などについてふれてみたい.
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