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特集 臨床麻酔の問題点
静脈麻酔,直腸麻酔での注意
Intravenous anesthesia and rectal anesthesia:clinical considerations
内藤 裕史
1
Hiroshi NAITO
1
1札幌医科大学麻酔科
pp.611-615
発行日 1969年5月20日
Published Date 1969/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204841
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はじめに
静脈内に薬物を投与して麻酔を行なうことを静脈麻酔,これに使われる薬物を瀞脈麻酔薬と総称するが,現在わが国で実際静脈麻酔に使われている薬物はほとんどサイオペンタール,サイアミラルの二種の超短時間作用性バルビチュレイトに限られており,この傾向は諸外国においても同じである.したがって,本稿においては,静脈麻酔を,サイオペンタールまたはサイアミラルによる静脈麻酔を意味することとして話をすすめ,また文中サイオペンタールとある場合,特にことわらない限り,これはサイアミラルにもあてはまると考えてよい.
静脈麻酔は後に述べる直腸麻酔と同じく,一旦生体中に投与された薬物は,生体による分解と排泄にたよる以外にこれをとり出すすべがなく,麻酔を行なうものは,麻酔を深くすることはできるが,浅くすることはできないという,吸入麻酔と本質的に異なる特徴を有する.
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