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Ra照射後meningioma,他
pp.116-119
発行日 1969年1月20日
Published Date 1969/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204785
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照射後肉腫発生は本欄でも紹介のごとく報告が少しあるが,meningioma発生というのはKyle(New Engl. J. M. 268:80,1963),Horányi(Magy. Radiol. 17:1,1965)の2報告をみるに留まる.前者はthorium dioxide脳室造影後24年,蝶形骨翼にM発生.後者は頭皮2000r. Ra照射で発生.Feiring(J. Neurosurg. 29:192,1968)は30歳婦人,2日前より突然右手シビレ・知覚鈍麻,ついで前頭痛,会話障害,ペンが握れない等の症状あらわれ入院.生時すでに左前頭側頭に大きいvascular nevusあり.2歳の時Ra照射.ただし本症はSturge-Weber病ではない.他部にもnevusあり.Recklinghausenの徴もない.諸検査で左側頭・頭頂でparasylvian regionのMと診断.開頭,照射し萎縮した皮膚直下にゴルフボール大,37g腫瘤あり,硬膜を滲潤して骨に破壊をいとなみ,脳膜血管から栄養をうけている.組織学的にはM特有の像で,細胞は層状,タマネギ状にならび,psammoma小体あり.1年後,諸徴すべて去つた.Sturge-WeberやRecklinghausenが否定できるので,他にわずか2例の報告あるにすぎないが,Ra照射に原因をもとむべきであろう.
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