Japanese
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特集 癌外科の進歩—現状と将来
直腸癌
The development of the surgery for carcinoma of the rectum
山本 恵一
1
,
中塚 勝正
1
Keiichi YAMAMOTO
1
1金沢大学医学部第1外科教室
pp.1919-1925
発行日 1968年12月20日
Published Date 1968/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204757
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はじめに
大腸癌は,欧米では本邦の約5倍,そのうち直腸癌は2倍弱の癌死亡を示し,消化器癌の中でも重要な位置を占めるが,これは酪農食と密接な関係があるとの推察もなされている.向後,わが国においても,食生活環境の変化に伴ない,問題を生じてくる可能性を含んだ癌といえる.事実,瀬木25)の本邦腸癌統計の中心でも,直腸癌死亡率は,従前より小腸および高位の結腸癌に較べて欧米との差がいちじるしくないが,1957〜58年頃よりは,その比較的増加が示されていることは注目を要する.
ここでは,教室症例および諸家の報告を通じて,直腸癌の診断 治療の現況について述べ,さらに将来の成績改善の方策についても工夫したい.なお,肛門癌はいささか趣を異にする面が多いので他の機会にゆずることとし,また,高位の結腸癌については,他の著者の述べられるところと重複を避け省略した.
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