Japanese
English
特集 癌外科の進歩—現状と将来
胆道癌の診断と治療
Diagnosis and surgical management of bile duct carcinoma
佐藤 寿雄
1
,
斉藤 洋一
1
,
斉藤 隆之
1
Toshio SATO
1
1東北大学医学部愼外科
pp.1905-1909
発行日 1968年12月20日
Published Date 1968/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204754
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はじめに
肝外胆道腫瘍では手術による根治率は肝癌と同じくきわめて低率である.しかも胆道腫瘍は他臓器の癌腫と異なり早期より閉塞性黄疸を発現するという特異性がある.これを教室例についてみると,胆管癌では全例の74%が黄疸指数80以上の高度黄疸症例であつた.さらに患者の年令をみると平均60歳ときわめて高齢者が多かった.外科医はこれらの大きな障害を乗り越えて胆道癌の治療にあたらねばならない.胆道癌の治療に日常われわれ外科医が苦悩する所似はここにあるといつてもよい.
胆管癌は黄疸必発という宿命にあり,他の癌腫と異なつた特異な経過をたどるため,今回は胆管癌における診断および治療法の変遷をふり返ると共に,教室例を中心として現在行なわれている診断および治療法の実状について述べ,今後の見通しなどについても言及してみたい.
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