Japanese
English
特集 手術とその根拠・Ⅱ
膵臓の手術とその根拠—とくに膵炎の手術について
Surgery of the pancreas and its rationale:with special reference to pancreatitis
佐藤 寿雄
1
,
斉藤 洋一
1
Toshio SATO
1
1東北大学医学部第一外科
pp.915-921
発行日 1971年6月20日
Published Date 1971/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205376
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
急性膵炎治療の歴史的変遷をふり返つてみると,1927〜1933年には早期手術が是認され,1933〜1938年には早期手術が否定されていた.しかし1938年のNordmannの報告以後は絶対的保存療法の治療方針がとられ,これがごく最近まで広く容認されてきた.しかし,近年,外科治療学の進歩により,積極的開腹をすすめるものもみられるようになつた.そして最近では,本症がどのような時期に手術の対象となるのか,あるいはまた,手術を行なう場合には,どのような術式を選択すべきかなどの点が論議の中心となつている.一方,慢性膵炎についてみると,わが国でも近年外科医を訪れるような重症慢性膵炎が増加してきて,種々の外科的療法が試みられるようになつた.今回,著者らは自験例をもととして,これら膵炎の手術適応に関する2,3の問題点について触れてみたいと思う.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.