Japanese
English
論説
局所灌流療法における効果に関与する条件の検討
Studies on the factors of clinical effectiveness with regional perfusion therapy
赤木 正信
1
,
藤田 馨
1
,
河津 昌幸
1
,
古閑 博治
1
,
由布 雅夫
1
,
宮本 吉辰
1
,
原 武司
1
Masanobu AKAGI
1
1熊本大学医学部第2外科学教室
pp.1627-1631
発行日 1968年10月20日
Published Date 1968/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204715
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はじめに
抗癌剤による腫瘍局所灌流療法は,腫瘍発生領域に高濃度かつ大量の抗癌剤を投与することにより,抗癌効果を増大し,大量の抗癌剤投与による全身性副作用を防止しようとするものであることは周知の通りである.これらに関する基礎的ならびに臨床的研究については,短時日のうちに広範な業績が報告されている.
この理論的には誠にすぐれた,しかもかなりの効果が予想される方法ではあるが,現実は必ずしもそうではない.その第1の理由は,何といつても既存抗癌剤の抗腫瘍効果における微力さであり,その有効量と中毒量との差異の小さいことにある.第2の理由として,全身循環からの腫瘍局所の完全遮断が達成されがたいという問題点がある.このような現実から,腫瘍灌流の効果には,当初の予想に反して相当の限度があることが明らかになつてきた.
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