研究
小川培地における通気条件の検討
中森 純三
1
1広島県衛生研究所
pp.64-67
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908399
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はじめに
小川培地上での結核菌の発育の良否が培地の施栓・通気の条件に左右されることは周知のごとくで,これは,培養環境要因としての酸素・炭酸ガス分圧や培地の湿潤度などに起因するものと思われる.これらの影響は集落の初発時期,集落の形態,発育菌量,ひいては培養陽性率の差として現れる.したがって,正確・迅速な検査成績を得るためには,最良の施栓・通気の条件を選ぶことが必要となる.
これらの観点から結核菌培養における施栓あるいはガス環境条件の優劣を比較した報告は数多いが,その成績は必ずしも一致していない.すなわち,密栓培養もしくは炭酸ガス培養がよいとするHoraiら1),Cohnら2),Tsujimotoら3),小川ら4)の各報告と,これとは逆に,通気培養のほうがすぐれるとする原田ら5),水之江ら6)の成績,さらには集落の発生は密栓培養のほうが早いが,個々の集落の発育は通気培養のほうがすぐれるとする二村ら7),間瀬8),合田9)の各報告の3群に大別することができよう.
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