他科の知識
脊麻の反省—脊麻による重大な循環系合併症3例を中心として
佐藤 光男
1
,
武藤 賢二
1
Mitsuo SATO
1
1順天堂大学医学部麻酔学教室
pp.401-406
発行日 1968年3月20日
Published Date 1968/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204548
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はじめに
脊麻は,約70年余も前にドイツのBierがコヵインを使つておこなつて以来,今では広く世界中に重要な麻酔法のひとつとして普及されている.これは方法の改善や使用局麻剤の進歩もさることながら,意識を失なわせなくても手術部位(下半身)の無痛と筋弛緩が完全であるという長所を持つているからであり,いかに全麻が発達しても捨てがたい麻酔法のひとつといえよう.しかしながら脊麻の最大の短所は, ときに急激な血圧下降,もしくは脊麻ショックをおこすことである.常に注意されなければならない.
ここに当教室の高比重液を用いた際の脊麻実施方針を紹介するとともに,最近経験した重篤な循環系合併症3例をあげ,対策について考えたい.
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