手術手技
交通外傷による顔面骨骨折
桜田 允也
1,2
,
田嶋 定夫
1,2
,
杉本 智透
1,2
Nobuya SAKURADA
1,2
1済生会神奈川県病院
2神奈川県交通救急センター
pp.393-400
発行日 1968年3月20日
Published Date 1968/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204547
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はじめに
中,高速走行時における交通外傷は顔面外傷を伴いやすい.新鮮外傷患者の初期治療にあたつて一般に顔面骨骨折には意外に関心がはらわれていない.
頭蓋内損傷,内臓損傷などの重篤な損傷に対する処置が優先することは論をまたないが,受傷直後の形成外科的配慮も大切である.軽度の複視,顔面変形,咬合異常,涙系損傷も処置されないまま,後遺症として片づけられる例が少なくない.これらの症例は受傷後早期に適切な治療を行なえば比較的容易に治癒していたと思われるものが多い.しかし一度陳旧性となると,手術そのものが困難となるばかりでなく,その効果を思うにまかせない.
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