Japanese
English
原著
脊麻後紅斑
Erythema After Spinal Anesthesia
山口 孝之
1,2
,
林 一彦
1
Takayuki YAMAGUCHI
1,2
,
Kazuhiko HAYASHI
1
1林病院外科
2現島根県立中央病院外科
1Department of Surgery, Hayashi Hospital
pp.371-372
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201889
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脊麻後紅斑は脊麻後障害の1つとして,全脊麻症例の約1%に認められると報告されている.本症は,従来,主に婦人科領域で腰麻後急性褥創としての難治性潰瘍の発生等として報告されたものと同一範囲に属するものと思われる.著者らは最近数年間の脊麻症例約1500例中2例(0.13%)に本症を認めた.共に虫垂切除例で,使用薬はPercamin-Sばかりで,量は1.3〜1.5cc (0.025cc/kg)である.手術時間は20〜25分,麻酔時間は約3〜4時間である.紅斑の発現部位はすべて仙骨部で,発現時間は術後30時間以内であったが,約1週間後には消失した.発生原因は不明であるが,薬剤の過敏性の個人差,局所の血管運動障害,局所の圧迫等が互いに組み合わさって起こるものと思われる.
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