Japanese
English
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重複癌の1例
A CASE OF MULTIPLE PRIMARY CANCERS
夏目 修
1
,
安濃 栄一
1
,
三浦 忠雄
1
,
鈴木 麒一
1
Osamu NATSUME
1
,
Eiichi ANNO
1
,
Tadao MIURA
1
,
Kiichi SUZUKI
1
1東北大学医学部泌尿器科学教室
1Urological Clinic, Tohoku University, School of Medicine
pp.171-174
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203449
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I.緒言
悪性腫瘍は転移,再発をみることが多いが,転移,再発の病巣は,原発巣の間に従属関係を認めるのが普通である。これに対して2つ以上の癌腫がそれぞれ独立して生じ,各々の癌腫の間に従属関係が認められない場合には原発性多発癌,所謂重複癌と称する。この重複癌に就いては,Warr-en & Gates1)によれば,1860年Billrothが初めて記載したと述べているが,それ以来剖検上多数の報告をみ,また我が国に於いても明治40年(1907年)に林2)が最初の報告をなして以来,現在までに200例以上の症例が発表されている。
最近我々は,喉頭及び前立腺に生じた重複癌を認め,これを手術的に治癒せしめた1症例を経験したのでここに報告すると共に,若干の文献的考察を試みた。
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