Japanese
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特集 肝腫瘍外科の課題
原発性肝癌の外科的治療—とくに手術成績,予後などを中心に
Surgical treatment for primary carcinoma of the liver
葛西 洋一
1
,
水戸 迪郎
1
Yôichi KASAI
1
1北海道大学医学部第1外科教室
pp.1527-1534
発行日 1967年11月20日
Published Date 1967/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204451
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はじめに
肝臓疾患に対する外科的治療が登場したのは,前世紀の後半頃からで,1913年にThöleは202例の肝切除の集計例を報告しているが,その大部分は良性疾患に対する手術例であつて,詳細は不明であるが肝癌と記載されているのはそのうち32例である.
当時の肝腫瘍に関する知見からみると,これらのものが,果して原発性か,転移性かを判別することは極めて困難であるが,1956年三上22)が報告した本邦肝切除180例についてみると,原発肝癌の手術例はその約30%をしめており,原発肝癌の治療は,肝臓外科の領域では,もつとも大きな問題であることが示唆される.
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