Japanese
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論説
僧帽弁交連切開術後の脳栓塞およびその新しい防止法の提唱
New method for prevention of cerebral embolism following mitral commissurotomy
別府 俊男
1
,
荒井 康温
1
,
山口 栄豊
1
,
後町 浩二
1
Toshio BEPPU
1
1東京女子医科大学外科教室
pp.511-515
発行日 1967年4月20日
Published Date 1967/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204280
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はじめに
心臓手術後の脳合併症は,僧帽弁狭窄症などを主とする非直視下手術と,人工心肺を使用する先天性心疾患の直視下手術によりその趣きを異にするが,人工心肺使用時には,時に環流量の不適にょるPerfusion Syndromが加わつて脳合併の因子も多彩になる.しかし,一般には,脳栓塞(血栓,空気,組織片などによる),頭蓋内出血(出血性傾向などによる),脳浮腫,脳膿瘍,進行した状態として脳軟化および脳壊死まで種々の合併症が含まれる.
直視下心臓手術の脳合併症は他日に譲るとして,非直視下心臓手術の重篤な脳合併症としては僧帽弁狭窄症の脳栓塞が特に重要である.しかし,脳栓塞合併に関する発表は本邦において少ない.われわれは,僧帽弁交連切開術後の脳栓塞症について検討し,さらにその防止法において,頸動脈,椎骨動脈を同時に圧迫する新しい方法を考案,現在実施中であるので報告し,諸賢の御批判を乞うものである.
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