Japanese
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論説
西ドイツにおける閉塞性動脈硬化症の臨床的考察
A clinical study of arteriosclerosis obliterans in West Germany
阪口 周吉
1
,
山田 公雄
1
Shûkichi SAKAGUCHI
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.502-510
発行日 1967年4月20日
Published Date 1967/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204279
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はじめに
近年,血管外科の発展に伴つて,末梢動脈の閉塞性疾患に対する関心が大いに昂まつてきた.これに属する疾患として,Buerger病と閉塞性動脈硬化症の2つが代表的であるが,後者は従来わが国では少ないものと考えられていた.しかし実際には,かなりの頻度で存在することが明らかとなり,またこの両者を臨床的に区別することが困難ないし不可能な場合が決して少なくない1).
閉塞性動脈硬化症(Arteriosclerosis obliterans,ASO1))は欧米では極めて多く,末梢動脈疾患の主流的存在である,本症の病態,臨床像その他についてはすでに多くの業績があり,われわれがこれらからその知識をうることは容易である.しかしその実態をわれわれの眼で確かめることも,決して徒労とは思えない.著者らは約2年間西ドイツにおいて,もつぱら本症の診療にたずさわる機会をえた.西ドイツは末梢血管疾患の大変多いところで,その現況についてはすでに報告したが2),ここでは著者らが体験した事実にもとづいて,ASOの臨床について考察したいと考える.
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