Japanese
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特集 虫垂炎—その困難な問題点
基部埋没に困難な場合の処置はどうすべきか
On treatment of difficult cases in inversion of appendiceal stump
石川 義信
1
,
藤田 孟
1
Yoshinobu ISHIKAWA
1
1弘前大学医学部第1外科
pp.1664-1666
発行日 1966年12月20日
Published Date 1966/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204169
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はじめに
虫垂切除にさいして,その切断端,つまり虫垂基部の処置については,古くから種々の方法があるが,1904年Seelig1)が記載して以来,おもに次の3方式に大別された様式が行なわれてきている2).すなわち(1)断端は結紮せずに盲腸腔内に向つて内飜せしめる法,(2)断端を単純結紮したまま腹腔内に遊離する法,(3)断端を結紮し,煙草縫合あるいはZ字縫合,8字縫合,十字縫合,Lembert結節縫合などにより埋没する法の3法である.
本邦では現在,(3)の埋没法が他2者に比較して広く行なわれているようである.それゆえ筆者に与えられたテーマも,基部「埋没」の困難な場合が問題点として浮かびあがつてくるわけである.なお著者は虫垂断端の埋没法のほかに(2)の単純結紮をして,断端の粘膜を電気メスで,焼灼して腹腔内に還納する方法をも用いているが,そのための支障をきたしたことはない.
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