えっせい・教育との出会い
再び「埋没」について
大野 トクヱ
pp.73
発行日 1971年5月25日
Published Date 1971/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906468
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「あのね。今朝,山本(担任)がね。ボクのうしろからついて来て教室に入ったとたんボクのカバン開けて,なか全部ひっかきまわして検査したよ」「どうして?」
「知らないよ。そして,ボクを叩く材料何も無かったもんで,こんどは衿章見たんだ。衿章は左へつけるきまりなのに,ヤツ,感違いして右側から見て,右につけて無いもんで突然,こっぴどくボクのほっぺたを叩いたんだぜ。バシッって。クラスのみんなが,あとで言ってたよ。ひどい音だった,ひでえなって。だからボクは叩かれてから黙って左側のバッチを指して見せてやったよ。そしたら山本,“しまった”って顔してよお」
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