特集 腫瘍の外科
研究と報告
乳児ウイルムス腫瘍の1治験例
池田 恵一
1
,
坂口 正昭
1
,
村上 浩
1
1九州大学第2外科教室
pp.1125-1129
発行日 1966年8月20日
Published Date 1966/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204066
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はじめに
近年わが国においても小児外科学の発達により,従来その年齢の幼少ゆえに根治手術が不能であつたり,また手術成績が不良であつた諸種の疾患にも積極的に根治手術が行なわれるようになつた.ウイルムス腫瘍は小児悪性腫瘍の中で最も重要なものの一つであるが,近年その治癒例が増加するとともに,治療手技の向上により治療成績をさらに好転させうるものとして注目を浴びている.
最近われわれの教室においてウイルムス腫瘍の診断のもとに腫瘍剔出術を行ない,組織学的に本腫瘍であることを確認し,術後経過良好なる生後86日の女児の症例を経験したので報告する.
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