診断のポイント
膵疾患の鑑別診断(1)—急性膵炎
若林 利重
1,2
1東京警察病院外科
2東京大学
pp.910-912
発行日 1966年7月20日
Published Date 1966/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204026
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はじめに
急性膵炎もいわゆる急性腹症の中の1つの重要な疾患であるが,急性膵炎の診断に際してはほとんどすべての急性腹症はその鑑別診断の対象となる.急性腹症の場合は一般に診断をいそぐあまり綜合判断の根拠が薄弱なことから,しばしば誤診を招いたり確診をくだしえなかつたりすることがある.当然行なうべき問診を忘れていたり,特有な症状や所見を見落していたり,あるいは必要な検査をやつていなかつたりして,開腹してみてはじめてその迂濶さを知ることがよくある.したがつて,まず念頭におくべき急性膵炎の特徴的な症状,所見,検査成績などを列記し特に誤診し易い疾患のそれと比較してみたい.
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