State of the Art
膵腫瘍との鑑別が困難であった膵炎の1例
池田 真幸
1
,
遠藤 琢朗
1
,
大牟田 繁文
1
,
新後閑 弘章
1
,
多田 知子
1
,
浮田 雄生
1
,
前谷 容
1
,
松清 大
2
,
大沢 晃弘
2
,
田中 英則
2
,
渡邉 学
2
,
横内 幸
3
,
高橋 啓
3
1東邦大学医療センター大橋病院消化器内科
2東邦大学医療センター大橋病院第三外科
3東邦大学医療センター大橋病院病理部
pp.271-274
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100048
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患者 69歳,女性.
主訴 肝障害,総胆管結石,膵腫瘤.
既往歴 なし.
現病歴 以前から時々発熱と右上腹部痛を認めていたが放置していた.当院での人間ドック,採血にて肝障害と糖尿病を,腹部USにて総胆管結石および膵腫瘤を指摘され,精査・加療目的にて同日入院となった.なお,今まで糖尿病を指摘されたことはなかった.
入院時身体所見 体温36.3℃,血圧142/80,眼瞼結膜貧血なし,眼球結膜に軽度黄染あり,腹部平坦かつ軟,圧痛なし.
入院時検査所見 WBC7,400/mm3,T-bil2.5mg/dl,AST247IU/l,ALT162IU/l,LDH683IU/l,ALP369IU/l,γ-GTP287IU/l,AMY38IU/l,GLU177,HbA1c9.8,CRP11.9,CEA2.4ng/ml,CA19-9 9.6U/ml
US所見 膵体部に径10mm大の低エコー腫瘤を認めた(図1).また胆囊内結石と総胆管結石を認めた.
ソナゾイドにて腹部造影USを行ったところ,膵腫瘤は辺縁からリング状に造影されたが,後期相においても中心部の造影効果は不良であった(図2).
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