学会シンポジュウムから
遠隔成績より見た門脈圧亢進症の手術法の検討
今永 一
1,2
1愛知癌センター病院
2名古屋大学
pp.888-891
発行日 1966年7月20日
Published Date 1966/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204021
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はじめに
このたびの第66回日本外科学会総会にあたり,第1日4月3日午後渋谷公会堂の主会場で行なわれたシンポジウム"遠隔成績よりみた門脈圧亢進症の手術療法の検討"を司会した際の諸印象をとりまとめてみた.
引続いて行なわれた同題の特別講演を木本教授が担当し,私が司会したシンポジウムには木本教授のもとから杉浦博士,私共からは山本講師が他の担当者発言者とともに参加するように編成されたのは,会長島田教授の深い配慮によるものであつた.したがつて,私としては,この日の講演を聞かれた会員諸賢が,門脈圧亢進症の概念について的確な認識を持たれるようになり,ここで報告された豊富な材料の長期にわたる観察結果を通じて,いかなる病状に対して,いかなる手術対策を構じたならば,いかなる結果が得られるものかを周知頂くことにより,臨床的に稀ならず遭遇するこのような症例の診療に利用して頂くとともに,さらに今後一層の研究の発展に資しうるようにありたいと念願し,その重責を痛感していた次第である.
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