カンファレンス
脊髄硬膜外腫瘍
高木 常光
1,2
,
小沢 啓邦
3
,
原田 敏雄
4
,
藤田 五郎
5
,
松田 孝史
2
,
杉本 研士
6
1自衛隊中央病院診療6部
2自衛隊中央病院整形外科
3自衛隊中央病院臨床検査課
4自衛隊中央病院神経科
5自衛隊中央病院外来
6自衛隊中央病院
pp.857-860
発行日 1966年6月20日
Published Date 1966/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204016
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藤田 今日は,第292回の臨床検討会ですが,整形外科の方から脊髄硬膜外腫瘍という臨床診断の症例を提示されました.記録を拝見しますと,すでに手術を受けて経過良好という症例のようですが,先日,本検討会で討議されました"左下肢単麻痺"の患者はまだわれわれの記憶に新しいのであります.この両者をあわせて考えながら検討していただくことも意義があろうと思います.まず,整形外科の松田先生に現病歴を話していただきます.
松田 患者は,52歳の男性で,機械業を自営しております.主訴は,歩行障害と両下肢の知覚異常です.家族歴にはとくに申し上げることはありません.既往歴としては,約20年前に気管支喘息をわずらつております.現病歴は,昭和37年8月,海水浴中に波に打たれて転倒し,背部を判撲し主した.打撲部の疼痛は数日で消退しましたが,2週間後に,両下腿前面にピリピリとした感じおよび軽い脱力感を生じました.その後,これらの自覚症状はだんだんと強くなり,歩行も困離になつてまいりました.昭和38年1月,某病院を受診したところ,腰椎椎間板ヘルニヤと診断され,その治療をうけております.昭和38年3月,当三宿病院整形外科外来を受診し,同年4月1日に第4,5腰椎の椎間板造影術を施行しております.しかしながら,そのときには椎間板の異常は認めておりません.
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