Japanese
English
論説
虚血性心疾患に対する内胸動脈心筋内移植兼大網遊離移植術
Internal mammarial arterial implantation and free transplantation of the omentum for the treatment of ischemic heart disease
榊原 仟
1
,
太田 八重子
1
,
横山 正義
1
,
佐藤 礼介
1
,
五味 春人
1
,
平塚 博男
1
,
秋本 富夫
1
,
岸 一夫
1
,
村崎 芙蓉子
1
Shigeru SAKAKIBARA
1
1東京女子医科大学附属心臓血圧研究所
pp.753-756
発行日 1966年6月20日
Published Date 1966/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203992
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
狭心症,心筋硬塞の外科治療は古くから行なわれ,わが国でも昭和13年頃,榊原亨1)等の大網膜移植術その他の経験が報ぜられている.著者等は昭和29年以来22例の症例に対し,交感神経節切除術,心嚢癒着術,内胸動脈結紮術を行なつてきた.これらの症例のほとんどは,5〜10年以上の経過をへており,この成績についてはすでに報告した2)が,効果についての判定の困難さもあつて,しばらくは,この方面の手術を行なわなかつた.
しかるに,最近,冠動脈血管造影法の技術の進歩とともに,本疾患に対する外科手術の発達が期待されるようになつてきた.冠動脈疾患に対する手術としては,直接冠動脈の血流量の増加を計ろうとする方法と間接的に虚血心に対する血流増加を計ろうとする方法とがある.直接法としては内膜切除術Endoarterectomyなどがある.間接法のうち,かつてVinebergの発表した内胸動脈心筋内移植術での,移植した内胸動脈が長年月の後にも開存があることが証せられ,再注目されるに至つた.この方法は内胸動脈の側枝を開放したまま,心筋内に移植し,大動脈→内胸動脈→心筋静脈洞に血流を送ろうとする方法である.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.