講座 頭頸部外科に必要な形成外科の基本手技・3
遊離皮膚移植
上石 弘
1
1近畿大学医学部形成外科
pp.77-83
発行日 1994年1月20日
Published Date 1994/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900867
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はじめに
手術や外傷によって生じた皮膚欠損部をどのように修復するか,その解決法を見出すまでには実に多くのことがらを考えるものである。その思考過程は碁や将棋の手の内を考えるのに似ている。しかし幸いなことに皮膚欠損の修復法を考える場合には,持ち時間の迫った棋士のそれと違って,十分考える時間が持てるのでありがたい。むしろ十分時間をかけて手術を読み切ってから行えばよいわけで,術式の選択を誤まることは少ないものである。
遊離皮膚移植は皮膚欠損部を修復する際の有力な持ち駒の一つであると考えてよい。
本項では,頭頸部領域に生じた皮膚欠損部の修復法の選択をどのような手順で進めたらよいか筆者の考え方を述べ,遊離皮膚移植の実際とその要点について述べてみたい。
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