外国文献
大量輸血,他
pp.412-415
発行日 1966年3月20日
Published Date 1966/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203934
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大量輸血の問題は日本では,数年,あまり問題にされなくなつた.日本外科学会は忘れつぽい.Wilson (J.A.M.A.194:851,1965)は1959〜1963年の,24時間以内に5000mlを輸血した209例を吟味している.計213回の大量輸血.このうち95例(45%)死亡.手術室内ショック死9,48時間内死41例,7日以内死76.死亡例は十分に検討した.輸血量が10〜14uより15〜19u.さらに20〜24uというように量が多いほど死亡率が高くなる.10〜14u118名では34%死亡.15〜24u77例では49%死亡.25u以上18名では1例のみ生存.また年齢が進むほど死亡が高い.40歳以下では10〜14uで29%死亡,60歳以上では47%の死亡である.受傷部は頭・頸・四肢が予後最もよく,死亡14%腹部損傷最も悪く60%以上.癌,感染などが先駆していたものは70%の死亡で高い(含併なきもの31%).輸血までショックの継続15分以内では死亡7%,20分以上つづいたものでは死亡57%,先駆疾患があつてショックを加えたものでは実に93%の死亡であつた.輸血による出血傾向34例,このうち,7例は出血死.
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