診断のポイント・10
神経性胃炎の診断
池見 酉次郎
1
,
中川 哲也
,
村瀬 政行
Torijiro IKEMI
1
1九州大学医学部心療内科
pp.1662-1665
発行日 1965年12月20日
Published Date 1965/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203834
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
与えられたテーマは「神経性胃炎」の診断ということであるが,「神経性胃炎」という言葉は,ばくぜんとしていて一般的には使用されていないように思われる.少なくとも,われわれのところでは,「神経性胃炎」というような病名はほとんど用いていない.したがつて,「神経性胃炎」とは何を意味するかが,まず問題になつてくるが,ここでは,一応,便宜的に「胃神経症」ないし「慢性胃炎の中で,心理的色彩の濃いもの(心身症)」というふうに解して,われわれの考えをのべることにする.
さて,ここで「胃神経症」とか「慢性胃炎」という言葉を用いたが,現段階においては,これらの言葉によつて表現される内容も,人によつてかなりニュアンスの違いがある.
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.