特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第2章 消化器
消化性潰瘍・胃炎
鎌田 智有
1
1川崎医科大学健康管理学/総合医療センター総合健診センター
pp.556-559
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_556
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Ⅰ.消化性潰瘍
胃液中の胃酸やペプシンなどの攻撃因子と胃粘膜上皮層の粘液や重炭酸塩分泌,粘膜血流,プロスタグランジン,増殖因子などの防御因子とのバランスが破綻することにより消化性潰瘍は発生する.現在,消化性潰瘍発生の二大要因は,Helicobacter pylori感染およびNSAIDsであり,H. pylori感染による組織学的胃炎と胃酸を中心とした胃内環境の変化が,潰瘍形成を引き起こすと考えられている.また,最近ではNSAIDs/低用量aspirinによる消化性潰瘍が増加傾向にある.
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