Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
序説
「胃炎の京都分類」以降の胃炎・胃症診断
Introduction
蔵原 晃一
1
Koichi Kurahara
1
1松山赤十字病院胃腸センター
キーワード:
胃炎
,
胃症
,
胃炎の京都分類
,
自己免疫性胃炎
,
NHPH胃炎
Keyword:
胃炎
,
胃症
,
胃炎の京都分類
,
自己免疫性胃炎
,
NHPH胃炎
pp.5-9
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010005
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胃炎・胃症とは
胃炎とは,さまざまな外的・内的因子に対して生じる組織学的な胃粘膜の炎症性・反応性変化を指す総称であり1),原因論的にA型胃炎,B型胃炎,C型胃炎に,臨床経過から急性と慢性などと分類されてきた.
USS(updated Sydney system)2)では慢性胃炎を非萎縮性胃炎(non-atrophic gastritis)と萎縮性胃炎(atrophic gastritis)に分類し,萎縮性胃炎はH. pylori(Helicobacter pylori)による萎縮性胃炎(B型胃炎)と自己免疫性胃炎(autoimmune gastritis ; AIG,A型胃炎)に分類する.また,非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs ; NSAIDs)や逆流胆汁が原因のものを化学性/反応性胃炎(chemical/reactive gastritis,C型胃炎)と呼び,特殊型胃炎(special forms)の一つとしている.その他,特殊型胃炎にはリンパ球性胃炎,肉芽腫性胃炎,好酸球性胃炎,collagenous gastritis,H. pylori以外の感染性胃炎などが含まれている.
なお,欧米ではC型胃炎をchemical gastropathyと呼称することが多いが,本邦においても,薬剤や基礎疾患などによる真の胃炎を伴わない胃粘膜変化に対して,プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor ; PPI)関連胃症,門脈圧亢進症性胃症など胃症(gastropathy)という用語が用いられている.
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