印象記
国際腎臓移植会議印象記
太田 和夫
1
1東京大学医学部第2外科
pp.1451-1453
発行日 1965年10月20日
Published Date 1965/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203793
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腎臓の移植はイムランなどの免疫反応抑制剤や臨床経験の増加によつて,成績もしだいに向上しつつあるが,まだ多くの困難な問題が残されている.そこで今までに臨床例を行なつた研究者達が集まつて,お互のデーダを交換し,同じ失敗を2度くり返さないよう検討しあう会議が,米国のNational Academy of Scienceの後援のもとにHarvardのMurrayらが中心となつて,昨年より年1回ずつ行なわれている.今年は5月16,17の両日ワシントンで開かれ,幸い著者も教室の稲生講師と一緒に参加する機会を得たので,そのあらましを紹介し御参考に供したいと思う.
会場はリンカーン記念館のそばにあるNational Aca-demy of Scienceの建物で,参加者はアメリカ,イギリス,フランス,カナダ,ドイツ,ベルギー,オーストラリアおよび日本の8ヵ国よりの約100人であり,冷房のない古い講堂ではあつたが,夜の10時過ぎまで熱心な討議が行なわれた.会議は五つのSessionに分かれ,それぞれ2時間ずつであり,指定発言者が2入で20分位の話をしたあと,残りの時間は自由討議を行なうという形式で進められた.
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