特集 国際会議にちなんで
第16回国際労働衛生会議印象記
坂本 弘
1
1三重県立大学医学部衛生学教室
pp.42
発行日 1969年12月10日
Published Date 1969/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204548
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会議の正式名はInternational Congress on Occupational Healthといいます。この会議は国際労働衛生協会に加入している会員のいる国で開催され,労働衛生に関する世界で最も権威ある会議になっています。1921年に第1回会議が開かれ,以後3年毎にヨーロッパ・アメリカ各地で開かれてきました。東洋で開かれるのはもちろんはじめてのことで,今年9月22日から27日までの6日間第16回会議が東京で開催されました。この会議には世界各国の労働衛生関係者が多数出席し,勤労者の健康保持増進に関する諸問題について,研究発表,討論および情報交換などがおこなわれます。各国の企業に働く保健婦ももちろん出席します。今回の東京の会議には2,000名をこえる海外からの出席があり,実りある会議が持たれました。会議内容は次のようでした。
シンポジウムは9題で,「労働衛生における健康診断の意義」,「産業労働者の職場不適応」,「作業努力の生理的諸側面」,「交代制労働者の労働衛生上の問題」,「高熱労働」,「振動障害」,「じん肺」,「向神経性毒物の中毒」,および,「職業がん」のテーマのもとにおこなわれました。ラウンド・テーブル・ディスカッションは4テーブル設けられ発展途上諸国の産業衛生問題などの主題について討議がおこなわれました。一般演題については8分科会が設けられ,その中には「産業保健婦活動」の分科会も含まれていました。
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