特集 腹部外科の臨床
研究と報告
巨大胃乳嘴腫の組織学的検討
大同 礼次郎
1,2
,
中川 幸英
2
,
松本 真一
2
,
石本 雄康
2
1京都府立医科大学
2国立舞鶴病院外科
pp.1191-1194
発行日 1965年9月20日
Published Date 1965/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203734
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胃に発生する腫瘍は大部分が癌であつて,良性の腫瘍は一般に稀なものであるが,その中で最も多くを占めるのはいわゆる上皮性のポリープである.最近はレ線透視.胃鏡,胃カメラ等の技術的機械的発達によりこのポリープもかなり多く発見され,また手術されて,その報告例も多数に昇るようになり,もはや.稀とはいい難いようになつた.然しながらこれが胃癌の発生母地の一つとして重要なある位置を示し,種々の検討が加えられているが今なお不可解な問題が残されており,今後の研究に俟つべき点も少なくない.
一般にその大きさは径2cm以下が大多数であり,少なくとも拇指頭大以上に及ぶものは非常に稀なようである.われわれは最近鵞卵大にも達するPapillomaを経験し.またその組織像は極めて興味あるものであつたので,ここに報告し,少しくその組織学的見解についても考察を加えたい.
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