Japanese
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特集 胸部疾患縫合不全
食道癌手術の縫合不全
The Breakdown of the Suture Line in the Surgery of the Esophageal Cancer
井口 潔
1
,
中村 輝久
1
Kiyoshi INOGUCHI
1
1九州大学井口外科
pp.593-600
発行日 1965年5月20日
Published Date 1965/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203599
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Ⅰ.はじめに
食道癌手術において従来各種の食道再建術式が考案せられているが,その要点の一つは如何にして食道吻合部の縫合不全を防止するかにある.一般に食道癌患者の多くは高齢者であり心肺機能の低下したものが少なくない上に,栄養障害が加わつているので術前にどの程度までこれらを改善できるかということが,術後合併症の防止に最も重要なことである.そこで,手術侵襲を軽減する為に癌切除と食道再建とを分割して行なう方法も行われる.縫合不全防止のための対策としては,一般的には強力な化学療法による腸内細菌の抑制,術後酸素テントの使用,チューブ栄養法の強化等が行われているが,今回は紙数に制限があるのでこれらは省略し,縫合不全の対策として実際の手術手技の面でつねづねわれわれが注意している点を述べてみよう.
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