Japanese
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特集 消化器外科術後合併症の治療戦略―私たちはこのように治療している
頸部食道癌術後縫合不全
Anastomotic leakage after the operation for cancer of the cervical esophagus
諌山 冬実
1
,
梶山 美明
1
,
岩沼 佳見
1
,
富田 夏実
1
,
天野 高行
1
,
小室 裕造
2
,
梁井 皎
2
,
鶴丸 昌彦
1
Fuyumi ISAYAMA
1
1順天堂大学消化器外科学講座上部消化管外科学
2順天堂大学形成外科学講座
キーワード:
頸部食道癌
,
縫合不全
,
遊離空腸移植
Keyword:
頸部食道癌
,
縫合不全
,
遊離空腸移植
pp.1579-1582
発行日 2006年12月20日
Published Date 2006/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101650
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要旨:頸部食道癌術後縫合不全の臨床的特徴,診断,治療などについて胸部食道癌術後と対比し述べた.縫合不全の要因は低酸素血症,低栄養,基礎疾患,放射線治療の既往などである.吻合に際しての注意点は,(1)膿瘍形成が起こった場合は大血管の破綻により大出血することがある,(2)遊離空腸移植は血管吻合の成否が重要である,(3)全胃挙上では先端部の虚血に注意する,(4)喉頭温存例では高位吻合となり,縫合には細心の注意が必要となる,の4点である.診断の要点は,(1)咽頭吻合の左右縫縮部にも注意する,(2)頸部皮膚の発赤があれば頸部創を1~2針抜糸して臓器壊死の可能性も疑う,の2点である.縫合不全となっても多くの場合は再手術せず経過観察とドレナージで治癒するが,再手術の適応は(1)急性血行障害からの挙上臓器壊死が疑われたとき,(2)慢性血行障害のため再建臓器が瘢痕化し高度の狭窄を起こしたとき,である.
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