Medical Topics
輸血後単核症,他
K.N.
pp.100-101
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914816
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輸血後の血清肝炎についてはあまりにも有名であり,今さら多言を要しないが,これとは別に,最近,体外循環後症候群,輸血後症候群,輸血後単核症Post-transfusion mononucleosisなどという言葉が登場してきた。これは,輸血によってもたらされるもので,最初の報告は1958年になされ,ここ2〜3年,次第に注目を集めてきている。
本症の主なる徴候は,発熱,脾腫,リンパ球の流血中増加,非定型的な大型白血球の出現などであり,また肝機能検査はしばしば異常値を示すが,臨床的な肝疾患の症状はあまりない。従来から知られている伝染性単核症infectiou mononucleosisとよく似てはいるが,これと同じものかどうか明瞭ではない。というのは,伝染性単核症でみられる,リンパ節腫脹,咽頭炎,Paul-Bunnel-Davidsohn反応陽性化などはあまりみられていないのである。
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