実地医家の診断シリーズ・1
外科診断のために
長洲 光太郎
1
1関東逓信病院外科
pp.238-241
発行日 1965年2月20日
Published Date 1965/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203543
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本シリーズのはじめに総論的な注意を記すこととする.診断技術が日進月歩の急速な進歩をしめしているし,ますます複雑多岐にわたり,亡羊の嘆はなはだしいものがあるが,診断のみちすぢには一定の方法論があり,これを無視して安易な診断(疑診)のもとに,診療が行なわれ,手術が施行されているという面がないでもない.不慣れの新人のとつたアナムネーゼや記載を見ると,こういう点に根本的な,学問的に診断をすすめ思考過程に余程努力しなければならないと思うし,また少しく外科学たずさわつた私達も何等の型でこの点に貢献する責任があるものと思う.総括的なものとしては浜口栄祐教授編外科診断書(昭 年,医学書院)があるし,他にいくらでもくわしいものもあるので,ここには数項目をあげて指針とすることにし,少しく私見を加えたいと思う.
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