Japanese
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講座 手術の実際
横隔膜下膿瘍切開法
Surgical technique for the subphrenic abscess
長洲 光太郎
1
,
岩崎 隆
1
Kotaro NAGASU
1
1関東逓信病院外科
1Surgical Chnic, Kantoteisin Hospital
pp.1358-1362
発行日 1964年10月20日
Published Date 1964/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203446
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Ⅰ.診断上のポイント
横隔膜下膿瘍は特発することはまずない.必らずこれに先行して腹腔内臓器の化膿性疾患がある.たとえば中垂炎や胃・十二指腸潰瘍穿孔による急性腹膜炎,急性胆嚢炎あるいは以上のものにつづいておこる肝膿瘍,また上腹部開腹手術後の発生などがそのもつとも大きい原因である(第1図).
したがつて一定の原病の経過があり,その経過が急速に悪化しておこる場合と,少くとも,およそは順調な経過のごとくみえても,何か解熱がおくれたり,右上腹や背痛があるなど少しく異常な経過をみているうちに,明らかに膿瘍性の高熱,下部肋間の圧痛,右肋骨弓に沿う疼痛,右季肋部や右下胸部の呼吸性自発痛および圧痛,デファンス,当該部の皮膚をつまんでみると健康側より浮腫状に厚く感じられるなどの諸症状があらわれてくる.
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