特集 外科と保険診療
小児外科と保険診療
守屋 荒夫
1
1都立清瀬小児病院
pp.1599-1603
発行日 1964年12月20日
Published Date 1964/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203485
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成人の診療に比較して,小児の診療には多くの特殊性があり,手間と経費が余計に必要なことは,いまさら説明するまでもない.しかるに,技術や労力よりも,使用現物への評価が優先する現行の保険制度の枠内にあつては,小児医療の特殊性はほとんど無視されている.技術料をやや高く認めたといわれる甲表の診療点数表においても,小児医療にたいする特殊加算額は,第1表に見るように僅か8項目であつて,これは全算定基準項目671にたいしてわずか1.2%にすぎない.
さらに,使用現物についてみても,高価薬,とくに抗生物質やシロップ剤などは,小児の使用量ではかえつて欠損となる場合が多く,良心的な診療を実施する上に大きな支障となつている.
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