グラフ
清瀬小児病院外科を訪ねて
守屋 荒夫
1
1清瀬小児病院外科
pp.1074-1079
発行日 1964年8月20日
Published Date 1964/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203398
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かつては療養所の村として知られた清瀬とその周辺の町村も,今では東京のベットタウンと化し,武蔵野の面影は日に日に消滅して,代りに団地や住宅がたちならぶようになつた.一方,結核の減少という条件も加わつて,各療養所それぞれに,多少の変革を余儀なくされている.このような状勢下にあつて,都立清瀬小児病院は,東京都西北部における小児医療センターへの脱皮に努力している.38年5月からは,新生児・未熟児病室を含む一般小児科・小児外科病棟が開設されたのも,この目的による.もとより,病院の歴史が結核治療から出発しているので,当病院外科手術の中軸をなすのは,小児の肺外科であり,外科開設来わずか5年間に,小児肺切除は175例に達し,手術死亡0を誇つているが,この領域では,さらに低年齢層の肺手術(初感染結核・非結核性疾患など)が,将来の研究主題とされている.
一般外科開始以来,肺の隣接臓器である.心臓大血管外科や,新生児・未熟児・乳児の外科も漸次増加し,最近の手術件数は,むしろ肺外科を凌ぐようになつてきている.
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