特集 外科と保険診療
病院側から見た外科保険診療
守屋 博
1
1順天堂大学
pp.1587-1590
発行日 1964年12月20日
Published Date 1964/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203482
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現在,病院にくる患者の9割以上が,何かの保険によつて支払れている.病院は保険を考えないで経営することは不可能である.病院は完全に保険の網の虜になつている.
元来,医業は自分の経済的責任で仕事をする代りに自由に患者との間に話し合いの取引をすべきであるのに患者の方は必要な診療を全部まとめて,保険者に委託したために,診療者側は,料金について,患者の代理者である保険者と一括話し合わねばならぬことになつた.否正確に云えばあい手は保険者でもなく,政府自身が指示した報酬額を,保険者から支払れる仕掛になつているのである,政府も報酬額を決定するときには,社会保険中央医療協議会の意見を聞くことになつているが委員中,医療担当者の頭数は常に50%以下であるのでなかなか診療者の思い通りの値上ができぬのである.
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