特集 外科と保険診療
献血と保険問題
島田 信勝
1
1慶応大学
pp.1591-1593
発行日 1964年12月20日
Published Date 1964/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203483
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近頃輸血後の血清肝炎がとみに頻発する傾向があり,かなり世間ではやかましく本問題をとりあげている.ことに新聞,雑誌,放送などによつてかなり詳細にいろいろ述べられているが,ときに真実がゆがめられているような記事がないでもない.
元来輸血制度のあり方については,日本輸血学会が血液銀行設置当時からいろいろ当局に意見を具申しており,とくにここ5〜6年前からは,あるいは口答で,あるいは要望書を提出して以下述べる輸血の関連問題について改革,改善策を望んできたのであるが,まつたくなんらの反応も回答もなかつたのである.学会関係者にしてみれば起るものが当然起つたと考える人も多いことと思うが,あまりにも無為無策な当局のやり方にはむしろあきれ果てたというのが識者の本心ではなかろうか.本誌のもとめに応じ,献血と保険問題に関して日常私の感じていることを書き連ねてみる.
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