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Kell不適合にもとづく腎不全,他
pp.554-557
発行日 1964年4月20日
Published Date 1964/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203317
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抗Kell抗体で輸血副反応を招いたというのは数少いが,うち急性腎不全に陥つたものが6例あり,その2例が死亡している.
それはOttonsooter(Blood 8:1029,1953)とPeschel(JAMA 167:1736,1958)とで,抗Kell抗体をチェツクしておけば防げるはずだから,抗Kell抗体が注目されるわけである.著者例58♂,吐血下血あり某院で輸血500cc,副反応なし.4日後250cc輸血,クロスマッチでは適合血とされたが,悪寒戦陳・側腹痛・39.3℃の反応生ず.翌日200ccの"dark"尿,蛋白(?),第2〜3日尿"dark"で250ccのみ,72時間後のBUN80mg,血清ビリルビン1.0mg,悪心嘔吐あらわる.血圧140/106,嗜眠性となり当院来院(Northwest,Univ.),BUN85,血清クレアチニン14, Na 117, K3.7,CO228.5, Ca 7.3.ただちにtwin-coil人工腎で透折.しかし3週まで尿量5〜350cc/24hで,輸血後32日に回復利尿をうるまでに7回透折.57日までfollowされ全治.第3回目の輸血血液に対し間接Coombs (++)1〜2回の血液(−).患者血液は0型,cde/cde, kk (Kell陰性).1〜2回血はkk,第3回血がKell陽性.
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