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綜説
ABO血液型不適合腎移植
ABO-incompatible Kidney Transplantation
高橋 公太
1
Kota Takahashi
1
1新潟大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
腎移植
Keyword:
腎移植
pp.367-376
発行日 1996年5月20日
Published Date 1996/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901811
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わが国の腎移植の現況をみると,死体腎(献腎)の提供が極端に少ないため,欧米諸国に比べて腎移植が普及していないことは周知の事実であり,現実に腎移植回数は平成元年をピークに年々減少している1,2)。
これらの現状を踏まえて腎移植の適応拡大の目的からABO血液不適合腎移植3〜6)が,わが国でも1989年から開始された。不適合腎移植が行われていなかった時代において,特に慢性腎不全患児の移植ができなかった最大の障壁が親子間の血液型不適合であったが、これらの移植が可能となり.良好な成績を示している。またレシピエントの7割がO型であることから,これらの小児腎移植やO型のレシピエントに大きな福音をもたらした。
近い将来,不適合腎移植で使用された技術や治療がさらに異種移植の道に応用されると考えられる。
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