Japanese
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綜説
末梢血行障害を伴う血管炎の臨床
Clinical Study of Vasculitis with Peripheral Circulatory Disorder
神谷 喜作
1
Kisaku KAMIYA
1
1名古屋大学医学部第一外科
pp.709-720
発行日 1959年7月20日
Published Date 1959/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202426
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末梢血管閉塞を惹起する原因には神経性のものもあるが,その大部を占めるのは血管炎に由来するものであろう.
一口に血管炎といつてもその原因は種々であつて,化膿性動静脈炎もあり,また梅毒,結核による血管炎もある.動脈硬化症も一種の血管炎と考えることが出来る1).これらは一応その本態が明かであるが,ここに最近注目をあびているのが膠原病という概念に含まれる血管変化である.膠原病という病名を臨床的につけることは当をえていないので,むしろその血管の変化に重きをおいて眺めた方が臨床的に把握し易いし,また実際的である点から"血管炎"という新しい概念に一括した方がよいという提案2)もある.この提案の主旨には賛意を表するが,単に"血管炎"というと字句的には化膿性血管炎等の原因のはつきりしている血管炎をも含めることになる.原因のはつきりした群は夫々独立させておけばよい.原因のはつきりしない群には夫々何か適当な名を与えておくのがよいと思う.
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