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講座 外科領域
自家免疫に関連して—Ⅱ.癌患者の異常血漿蛋白
notes on the autoimmune manifestations in patient with cancer: Ⅱ. Abnormal plasma proteins in cancer patients
渋沢 喜守雄
Kishuo SHIBUSAWA
pp.212-222
発行日 1964年2月20日
Published Date 1964/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203263
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はしがき
温式自家抗体は7Sクラス(正常サイズ)のγグロブリンで,泳動的にはγ1A(β,β2Aなどともいう)であり,冷式自家抗体は19Sクラスのマクログロブリンで,泳動的にはγ1M(γ1,19Sγ,β2Mともいう)であるといわれる.慢性感染症・ザルコイドージス・膠原病などでは,γ2,γ1A,γ1M3者がともに増加するので,Waldenström(1962)はpolyclonal gammopathyとよんでいる.これに反し,Waldenström紫斑病ではγ1Mのみが増加し,骨髄腫ではある患者はγ2のみ,ある患者はγ1Aのみが増加し,つまり一種の蛋白のみが増加するので,monoclonal gammopathyとよばれる.リンパ形質系のあるひとつのクローンの細胞集落は,特定の一種のγ-glを産生するというのである.そこで,ここではmonoclonal gammopathyにはふれないことになる.
主題に関連する異常血漿蛋白には,そうしたマクログロブリンのほかに,クリオグロブリン・無γグロブリン血症・寒冷凝集素・寒冷沈降素などがある.
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