Japanese
English
症例
内服ペニシリンによるシヨツクの1例
Shock due to internal use of Penicillin
池尻 勝
1
,
中田 嘉則
1
,
永井 彰
1
,
伊崎 駿
1
Masaru IKEJIRI
1
,
Yoshinori NAKATA
1
,
Akira NAGAI
1
,
Susumu IZAKI
1
1戸畑市立病院外科
1Tobata City Hospital Surgical Department
pp.1543-1544
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203224
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緒言
ペニシリンは,化膿性疾患の治療に一時期を劃したものであつて,その卓絶せる効果と,副作用の殆んどないこととによつて広く用いられてきたが,1951年頃よりペニシリンショックが多発するようになつたため,その優秀なる治療効果にもかかわらず,しだいに使用されなくなる傾向が現われた.しかし,一方には,ペニシリンの安全な投与法として内服ペニシリンへの要望も強まり,ペニシリン使用初期において試みられた内服ペニシリンが再び脚光を浴びることとなり数社より発売され,これによつて従来のペニシリンの副作用は大幅に減るものと期待された.そして,内服ペニシリンの効果は,夙に,石山らを始め,多くの臨床家の検索によつて認められてきたが,また,石山らは,すでに「……副作用については,まだ経験するところが少ないが,従来注射ペニシリンに対して行なわれたような注意を全く除外して考えることはできない」といつている.
事実,その後,内服ペニシリン,ペニシリン軟膏,同腟坐薬,同ネブライザー等による重篤な副作用が散見されるようになつた.われわれも,最近,内服ペニシリンによるショックの1例を経験し,幸いに,重篤にいたらず治癒させえたのでこれを報告し,諸賢の御参考に供したい.
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