Japanese
English
論説
悪性腫瘍の放射線治療
Radiation Therapy of Malignant Tumors
重松 康
1
,
浜崎 靖
1
,
真崎 規江
1
,
金光 正志
1
,
東 巌
1
Yasushi SHIGEMATSU
1
1大阪大学医学部放射線教室
1Dept. of Radiology Medical School of Osaka University
pp.1145-1155
発行日 1963年9月20日
Published Date 1963/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203148
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はじめに
悪性腫瘍の問題は全世界を挙げての現在の医学の1つの焦点で,今春の医学会総会を振返つてみても,4課題の特別講演と5課題のシンポシウムが,最大の会場(フェステイバルホール)で行われ,その会場を殆ど満員の盛況に終止させた.その中で治療に関連するものとしては,放射線治療,制癌剤というように,方法論的にまとめられたシンポシウムの外に,胃癌,食道癌,肺癌という風に,臓器別の診断,治療に関するものが持たれて,放射線医学の代表者がそれぞれの場において,自分の経験した材料をもつて他の分野と議論をかわしたことは,今までの総会ではちよつと見られなかつたことである.それは,放射線治療がわが国にあつても長い暗黒時代ののちにようやく再認識され始めたことを意味するであろうし,また,この間の放射線治療医の着実な成長と受け取られた人もあろう.
ところで,著者の1人,重松は,立入教授の司会になる"悪性腫瘍の放射線治療"のシンポシウムで,頭頸部領域の腫瘍を担当したが,このシンポシウムの構成は次のようなものであつた.
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