シンポジウム 骨肉腫の治療および予後
骨の悪性腫瘍にたいする放射線療法の効果
前山 巌
1
Iwao Maeyama
1
1国立がんセンター病院整形外科
pp.557-564
発行日 1967年5月25日
Published Date 1967/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904242
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序
骨に発生する悪性腫瘍は大別して原発性のものと続発性のものとがあり,それぞれ異つた起源を有する各種の細胞に由来しているので,これらの腫瘍細胞の放射線感受性もその程度に相違があり,そのいかんによつてそれぞれの骨腫瘍にたいする放射線治療の効果が大きく左右されることはいうまでもない.
一般に,骨髄系の細胞に由来するプラスマ細胞腫すなわち骨髄腫や,細網肉腫あるいはなおその起源についてはかなりの問題点を残しているユーイング肉腫等,所謂円形細胞肉腫に含まれる一群の腫瘍は,最も著しい放射線感受性を示す代表的な原発性骨腫瘍であり,一方,骨芽細胞や軟骨細胞よりなる骨肉腫や軟骨肉腫は,従来,放射線治療に最も強い抵抗を示すものの一つとして挙げられている.
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