外科の焦点
サリドマイド奇形の手術—スラマー教授の来日に学んだこと
駿河 敬次郎
1
1賛育会病院外科
pp.991-992
発行日 1963年8月20日
Published Date 1963/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203127
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先頃,日本に来て各方面の注目の内にサリドマイドベビーの上肢機能回復手術を指導されたフィンランドの国立ヘルシンキ大学マツテイ・スラマー教授が日本の医学ことに小児外科と呼ばれる新らしい領域に残してゆかれた置土産の貴重さを,今一度よく再認識しておきたいと思う.
昨1962年は小児外科学界にとつて二つの大きな国際的催しがあつた.リスボンでの第10回小児科学会と,その直前にロンドンであつた小児外科学会とである.リスボンでは奇形発生の問題が検討され,ロンドンでは先天性四肢奇形の治療について特別な招待講演が計画された.この演者が特色ある創意にみちた術式を以てサリドマイド奇形の治療に当つているスラマー教授だつた.
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