Japanese
English
論説
長期間結紮された尿管の解放
Delayed relief from the complete obstruction of the ureter in a case of contralateral poor functioned kidney
原田 直彦
1
,
谷村 守彦
1
,
福山 和宏
1
,
酒井 浩
1
,
岩本 洋三
1
,
大西 確次郎
1
,
西崎 登
1
,
門田 嘉弘
1
,
佐々木 巌
1
,
朝倉 保
1
,
森本 譲
1
,
服部 洋
1
Naohiko HARADA
1
1大阪市立大学医学部第2外科教室
pp.922-926
発行日 1964年7月20日
Published Date 1964/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203374
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はじめに
尿管結紮による尿路の完全な閉塞を早期に解除して成功したという報告が,現在までに多数発表されている.しかし,尿管を結紮したあと,腎機能がどの程度長く保持されるかということについては,まだよく知られていない.日本の古い産婦人科医は,片側尿管損傷の患者に遭遇した場合には,むしろ病側尿管を結紮してしまうことが多いので,われわれ泌尿器外科医には,しばしばその解除手術をおこなう機会がある.
最近われわれを訪れた女性患者は,以前に,尿管結紮術をうけており,対側腎に上行感染があつて.その機能が障害されていた.そこでわれわれは,結紮側腎の機能がすこしでも保たれていることを念じ、なお両側腎の機能を発揮させる目的で,尿管結紮解除弄術をおこなつた.その後,約6ヵ月を経て,この患者は死亡したが,この症例は,まことに興味あるものと考えられるので,以下に記載する.
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